1月20日に開催しましたニコラ・ワインセミナーには、
特別講師として輸入専門会社、エステートワインズ代表のW.S.Forsterフォスター氏をお招きし
ご自身の出身である「オーストリアワインの世界」についてお話を伺いました。

またフォスター氏の講話と共に、
生産量が年間数千本という希少なオーストリアワインを6種、オーストリア料理を意識したペアリングも堪能しました。

“No kangaroos in Austria.”(オーストリアにカンガルーはいない) そんなジョークから始まった、フォスター氏のお話。
オーストリアは、面積は北海道、 人口は大阪府と同じくらいです。
ワインは、多くの国際的なプラインド・テイスティングにおいてそのポテンシャルを発揮し、 世界中の専門家やワイン愛好家から賞賛を得ています。
その美味しさの秘密は、地理的位置。
オーストリアの緯度はブルゴーニュと同じですが、 気温差はより激しくなります。
夏の暑い日中と冷涼な夜が、キリッとした味わいの アロマティックな、同時にフルボディで洗練された個性を持つワインを生みます。
国土の6割が山で、風光明媚なオーストリア。
ドナウ川沿いの岩がちな斜面の様々な土壌が ブドウの品種に影響しています。
オーストリアには大規模ワイナリーはほとんど存在しません。
大半は、9,000軒に上る小規模な家族経営のワイナリーで、祖父母から3世代が 同じ屋根の下で共に働くのが一般的です。
こうした伝統が、ワイン造りにおける 技術や情熱を受け継ぎ、伝統を守る重要な役割を果たしています。
オーストリアワインの特徴や歴史のほか、オーストリアの音楽や出身の著名人など、 フォスター氏から興味深いお話を伺いました。
また、ニコラ氏は、オーストリアワインのコストパフォーマンスの良さについても、 絶賛していました。

今回皆様と共有しましたワイン

【泡】

マラートブリュット・ロゼーゼクト・オーストリア・リザーブ2018
きめ細かい泡が立つ繊細なスパークリングワイン。ロゼでスタート。

【白】
ヨハネスホフ・ライニッシュ”S”グンポルツキルヒェン・ツィアファンドラー・ロートギプフラー2s217
畑が80hしかなく、生産量は年間2,000本という希少なボトル。
香りが強くミネラルが豊富で、重めの白は料理に負けない強さがあります。

ニグル リースリング・リートゴルドベルグ 1,0TW2019
酸味があり、重み、とろみがあり、寿司にも合う。デキャンタで味を広げるとよい。
開栓し5日ほど経つとより味わいが深まる。

【赤】
ゼップ・モーザー  ツヴァイゲルト・レゼルヴェ2020
強くて濃い。酸味、味わいともにオーストリアの最高品種といえる赤ワイン。
30~40年前の日本では馴染まなかったであろう、本格赤ワイン。

ヨハネスホフ・ライニッシュ ピノ・ノワール・レゼルヴェ“グリレンビューゲル”2019
90年代のブルゴーニュを思わせる酸味と味わい。
それでいて価格は、同等のブルゴーニュより安価でコストパフォーマンスが良い。

【デザートワイン】
サトラーホフ ソーヴィニヨン・クラナブベルグ・トロッケン・ベーレンアウスレーゼ2017
味わい酸味ともに優れた、最高級の貴腐ワイン。ブドウが粉を吹いている、
貴腐ワインに適した最高の状態を選別。日本には、なんと、たった36本しか入っていない。

コース料理メニューのご紹介
・3種の豆と3種の貝のカクテル
・奄美大島の生鮪の燻製と菜の花のサラダ仕立て 洋ナシと春菊のソース
・平目のポワレ レモンバターとドライトマトのソース
・鹿児島県産黒毛和牛イチボのロースト リンゴと西洋わさびのソース
・パンパルデュ 福岡県産あまおうのスープとマリネ/コーヒー

大手百貨店やどこのレストランでもお目にかかれないようなラインナップと組み合わせ。
国土の6割が山で、ワイン畑が小さいため生産量が少なく、全世界に流通が及ばず、世界的に評価の高い有名なワインでも年間2,000~3,000本しか生産できないという希少なワインです。
そんなオーストリアワイン6種を飲み比べ、料理とのペアリング、皆様には存分に堪能していただきました。


 

W.S.Forster(フォスター) オーストリア出身  エステートワインズ 社長

親族が営むレストランを幼少期から手伝い、ワインへ関心を抱く。
学業と徴兵を終えた20代でニュージーランドへ渡り、ワインメーカーに携わる。
1980年代から販売の側に立つようになり、拠点を日本に移し、イタリアワインを日本や東南アジアの取引先に仲介するエージェントとして活躍。
輸入会社の大阪支店長を経て、2007年エステートワインズ創業。
現在、特選ワインを高級レストランやホテル、上級酒販店や個人愛飲家に提供するほか、国内各地でワインセミナーを行い、ワインの知識や楽しみ方などワインの啓蒙活動も行っている。